クラウド ファイル共有サーバー(Azure Files)の構築
クラウド上で利用できる共有サーバーであるAzure Filesを構築してみます。
前提条件
- 事業所からのみ拠点間VPNで接続(インターネットからの接続は許可しない)
- Azure上で仮想ネットワークを構築済み
- 事業所とAzure間は拠点間VPN接続済み
作業概要
- Azure Files構築
- オンプレDNS調整
- クライアントPC設定
①Azure Files構築
Azureポータルより、リソースグループを開き「+追加」ボタンをクリックします。
検索窓に「ストレージ」と入力して検索し、「ストレージアカウント – Blob、file、Table、Queue」をクリックします。
「作成」ボタンをクリックします。
ストレージアカウント名:(任意)
場所:東日本
パフォーマンス:Standard
アカウントの種類:StandardV2(汎用 v2)
レプリケーション:ローカル冗長ストレージ(LGS)
アクセス層(既定):クール
を入力して「次:ネットワーク>」をクリックします。
接続方法:プライベート エンドポイント
を選択して「+追加」をクリックします。
場所:東日本
名前:(任意)
ストレージのサブリソース:file
仮想ネットワーク:構築済みの仮想ネットワークを選択
サブネット:構築済みのサブネットを選択
プライベートDNSゾーンと統合する:はい
プライベートDNSゾーン:そのまま
を入力して「OK」ボタンをクリックします。
表示内容を確認して「次:詳細>」ボタンをクリックします。
「次:タグ>」ボタンをクリックします。
「次:確認および作成>」ボタンをクリックします。
表示内容を確認して「作成」ボタンをクリックします。
「デプロイが進行中です」と表示されて、しばらく待つとストレージアカウントの作成が完了します。
ストレージアカウント画面を開き、「ファイル共有」ボタンをクリックします。
「+ファイル共有」ボタンをクリックします。
名前:(任意)
クオータ:5120
と入力して「作成」ボタンをクリックします。
②オンプレDNS調整
接続先「storageaccount.file.core.windows.net」は、インターネットからもアクセスできるようにできるため、パブリックIPアドレスが返されますが、今回は拠点間VPNからのみアクセスを許可するため、プライベートIPアドレスでの通信になります。しかし、IPアドレスでの接続はできないため、AzureドキュメントではプライベートIPアドレスが返されるDNS転送が推奨されています。
Azure FilesのDNS転送の構成(Azureドキュメント):
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/files/storage-files-networking-dns
ここでは、DNS転送できる環境がなかったため、FortigateのDNS変換機能を使用しています。
具体的には「storageaccount.file.core.windows.net」のパブリックIPアドレスをプライベートIPアドレスに変換しています。
③クライアントPC設定
クライアントPCでの設定方法について、AzureドキュメントではPowerShellを使ってマウントする手法が紹介されています。
Windows で Azure ファイル共有を使用する(Azureドキュメント):
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/files/storage-how-to-use-files-windows
ここでは、エクスプローラーからアドレスを入力してアクセスししています。
エクスプローラーを立ち上げ、アドレス欄に「\\[ストレージアカウント名].file.core.windows.net\[ファイル共有名]」を入力して[エンター]キーをクリックします。
認証情報を求められますので、
ユーザー名:Azure\[ストレージアカウント名]
パスワード:下記場所に記載のあるパスワード
を入力します。
※パスワードの確認方法
Azureポータルの「ストレージアカウント」画面の左メニューより、設定の「アクセスキー」を開き、key1の「キー」がパスワードになります。
Azure Filesのファイル共有が使えるようになりました。